【コラム】2024年8月 今、学校って!!!
2024年8月の竹内先生のコラム(お手紙)です。自筆を大切にしたいので、ファイルを張り付けています。
----- 以下は参考。テキスト化したものです。-------
今、学校って!!!
不登校は増え続け、今小学校でも増えてきています。中でも2年生が増えてきていると言われています。「友だち100人できるかな」と期待に胸をふくらませて入学した1年生ですが学校にはたくさんの細い約束ごとが待っています。以前は学校に慣れるまではと4月中は4校時授業だったのですが、今はすぐ給食がはじまり、5校時になります。始めから長い時間緊張の中で過すことになり楽しいはずの1年生もそう感じるひまもなく疲れたという毎日で始っているのではないでしょうか。
6月初めに用事があり、近くの小学校におじゃましたときのことです。その小学校の職員室の向い側に1年生の教室がありました。その教室の前の入口の廊下に机を出して1人の男の子が座っていました。「アレッどうしたのかな」「なんで」と思っているとその 教室から若い女性の先生の声が聞こえてきました。「○○ちゃんも黒板は見えているので大丈夫だよ」と教室のみんなに説明して、ひらがなの「ぬ」の書き方を教えていました。
その子は何らかの理由で机ごと廊下に出されたのでしょうか。しかも、職員室のドアの前の廊下に職員室にいる先生も分かっていると思うのですが、当り前の光景なのでしょうか。気にかける先生はいませんでした。たとえ、その男の子が何かしたとしても、机ごと廊下に出し黒板が見えているから大丈夫とする担任の先生の指導は違っていると思いました。私は今も心の中に?マークが残っています。今の学校の一端を見たように思っています。
7月の初め東京の病院に行っての帰り、渋谷から一人の男の子が電車に乗って来て、私の横に座りました。そして、リックサックから大学ノート版くらいのタブレットを取り出して、サッサッと手なれた手つきで算数のサイトをとりだし、やり始めました。見ていると4+6、3+7などの表示に答え10問正解すると音楽がなって合格の画面がでて、次のステップへと電車の中でドリルをしていました。制服を着ていたので、私立小学校に通っているのでしょう。友だち何人かと乗り込んでおしゃべりをする姿はよく見るのですが、この男の子は1人だったので、タブレットで復習や予習をしていたのでしょうか。学校でも、みんなと一緒に「どうだあーだ」と話し合いながら学ぶのではなく、1人1人が自分の課題をタブレットで個別学習をしているのかなと想像しました。個別最適化の学習なのでしょうか。
最近横浜市が36万人のビックデーターを活用した学習ダッシュボード「横浜sta rdy Navi」を6月から運用するという発表をしました。大学や大手企業(内田洋行)との共創によるビックデーターサイトチームが児童生徒のデーターを分析し、根拠に基づく学びの実現や教育内容の充実を図るというものです。子どもが使用しているタブレットその他のデーターを集収、分析して個々の状況に応じた学びの実現を計るとしていますがそれはデーターによる個別指導と管理です。子どもが楽しく学ぶ、先生のアイディアによる楽しい授業とはほど遠いものだと思います。一人ひとりのデーター管理の教育では子どもたちが楽しく学んで、友だち100人できる学校になるのでしょうか。この動きは横浜だけではなく日本全国に広がっています。文科省が最近、小6、中3の全国学力テストを来年度からAIで出題に変更すると発表しました。子どもの成績データーがAIで管理され成績のよい学校、地域はよい教育がされている。成績がおもわしくない学校、地域はさらに努力しなければというデーターで管理される教育から何が生まれるのでしょうか。子どもにとってはたのしく学べる学校ではなく、より成績をあげるための競争の学校があります。 中高一貫校ができ、今はその有名な中高一貫校に入るためには、小学校での学習だけではと放課後は学習塾に通う子どもが増えています。小学校から受験競争が始まっているのです。小学校時代、勉強も忘れて、友だちと夢中になって遊ぶ経験は絶対に必要だと思うのです。遊びは学びの原点だと思うのですが!!今は小学校に上がる前からの塾もたくさんあるようです。有名な学校へ入学できれば、子どもの未来は安心できるのでしょうか。
そんな中で「アレッ。」自分の思っていたのとは違っていると、だんだん足が向かなくなる子 がいてもおかしくないし、そう感じる子どもは増えているのです。でも、親も先生も大丈夫「ガンバッテ」と言うのですが、そう言われれば言われるほど、どうしたらよいか分からないままに心は困って動けなくなるのです。
今の学校では、どの子も抱えきれないストレスを感じています。そのストレスを抱えきれず外に向けて発散させているのが“いじめ”だと思うのです。そして、不登校だけでなく、いじめも増えています。いじめは、いじめられる側だけでなく、いじめる側にも心の負担は大きくのしかかっていると思うのです。そして、そのいじめに対応できないでいる学校があります。最近もメールでたくさんの友だちから”死ね、死ね”と送られてきた女の子の親が学校に訴えたのですが、メールは続き3ヶ月後に転校したというニュースを見ました。それに対応できないでいる学校があります。
それでも、子どもに「学校へ行きたくない」と言われたら、親として「何んとかして学校へ行かせなくては」という気持は分かるのですが、なまけて行きたくないと言う子どもは一人もいないのです。「どうして」と聞かれても、言葉では言い表わせない子どもたちがいます。 「行きたくない」と突然言いだすように思うのですが、がまんにがまんを重ねて言い出す言葉なのです。ですから、無理に手を引っぱってでもという対応で、行けるようになる子どもは一人もいないと思うのです。子どもの気持ちを大切に、寄添うことが必要だと思うのです。また、期限を切る対応も子どもには通じないのです。ゆっくり待ってあげるこ とが大切です。先ず、親が子どもの味方になることだと思うのです。そして、ゆっくり待つことが大切です。そして、子どもが親が味方だと感じて、安心できたら、外へ学校へと気持ちが向いていくのです。決めるのは子どもなのです。
この情報は、「不登校を考える親の会 川崎の会」により登録されました。