『ふーこの独り善がり日誌』4
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病得て
古希のお手玉
夜の秋
年をとり、PD患者である自分が出来る運動は限られてくる。体の痛みや動きにくさの症状が無かった頃、大概の運動はストレス無く楽しむものだった。
最近の自分は歩くことさえ覚束ない。週1回リハビリに通うクリニックへ行く途中、急に足が動かなくなるということがあった。2分、3分いや5分以上経過していたかもしれない。呼吸は速く、荒く、汗が全身から噴き出して上半身は固く首は回らない。頭の先から足の指までつったような状態になった。パニックでただ立ち尽くすだけだった。
幸い、人通りが少ない歩道であったため、何事も無かったようにやり過ごすことができた。フェンスに寄りかかっていると少し気持ちが楽になった。
この出来事から外出する際、体調優先し慎重に行動するよう心がけるようにした。
今まで、薬が効いて相性もよく体への違和感をあまり感じたことがなかった。ところが自分の体をコントロール出来ない、自分の体に不信感を持ってしまう今の状態に不安な気持ちが強い。
先日、ボランティアの仲間と会う機会があり、興味深い話を聞く事が出来た。
彼女たちは、放課後の小学校で、お手玉を教えているという。私がPD患者であることを理解して、「お手玉は脳を活性化してうつ病に効果がある」と教えてくれた。
いくつか文献に目を通したりしてみた。お手玉の効用に目からうろこのようだった。
まさか、古希にお手玉に夢中になるとは考えてもみなかったこと。昼間は暑くて体は動かせない。夜になると秋の気配がして涼しい。お手玉を運動として認識すると楽しみ方が増える。
PDトライの活動で手作りしたお手玉を取り出して二つの玉を交換しながら歌う。
「♪ あんたがたどこさ、肥後さ肥後どこさ・・・・・」
夫も誘ってみた。「男はお手玉はしていない」と返事。
どこまで、窮屈な生き方しているのか!
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