『ふーこの独り善がり日誌』3
詳細
リハビリや
カッコウの声に
励まされ (丹後局)
リハビリで近くのクリニックへ通うようになって5年が経つ。
初めの頃は、夫と二人で同じ時間にリハビリを受けていた。二人で外出する機会が無かったので新鮮な気持ちになれた。その後夫は病状が進んだため、自宅でのリハビリに切り替えた。
5年もリハビリに通っていると、リハビリに対する自分なりの思いが経験を通して見えてくる。
先ず、リハビリはコミュニケーションの要素が大きいということ。
コミュニケーションの核となるのは、「信頼関係」だと思う。
身近な例として、昨年、PD患者の会として発足したPDトライはメンバーの多くがクリニックの患者同士であった。最初の頃、声掛けから始まり何気ない他愛のない会話から、やがて互いの病気について語り合う中で、抱え込んで打ち明ける相手や場所もないPD患者が多いという事実が分かった。自分もその中の一人だった。この問題に対しては例会の中で、情報交換として思い思いの胸の内を語り合うことをテーマに取り組んだ。
会員同士、支え合い身近に話しが出来る関係はとても大切だと実感した。
ところで、同じようなクリニックの患者同士でもPDトライのようなグループを作れるとは言えない。PDトライの活動にはクリニックの支援なくしては考えられないということ。支援とは、人の手を借りたりするというような、目に見える物ではない。
クリニックのドアを入ると、包み込むような柔らかい空気を感じる。緊張していた体から無駄な力が「スーッと」抜け出る。「私はふーこです」スタッフの方々が私を認識する。個人として認識した対応が良いコミュニケーションに繋がり信頼関係を築くことだと思う。
クリニックではリハビリの途中、12時の時報にカッコウの鳴き声が部屋全体に広がる。一瞬、夏空の林の中に居て爽やかな風を全体で受けている自分をイメージする。
すると、固くなっていた手足が段々に温かくなって、体全体の動きもよくなった。
クリニックの心憎い演出、リハビリの効果を後押ししているようだ。
※PDとはParkinson's disease パーキンソン病のことです。
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