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【コラム】2025年3月 不登校親の孤立を防ぐには!!

公開日:2025年03月02日 最終更新日:2025年03月03日

2025年3月の竹内先生のコラム(お手紙)です。自筆を大切にしたいので、ファイルを張り付けています。

竹内先生のコラム 2025年3月 (1.4MB)

 

-----  以下テキスト版-------

不登校親の孤立を防ぐには!! (朝日新聞の記事から)

 前号では東葛の会に載っていた事例を載せたところですが今回は2025年2月5日の朝日新聞に上記のタイトルで載っていた記事を紹介します。今まで朝日新聞を読んでいますが不登校の記事で「親の会」のことを取り上げたのは、初めてのことです。その一部を紹介します。 
 埼玉県の40代パートの女性の次女は、小1だった3年前の夏休み明けの朝「学校に行かない」と宣言した。その日は仕方なく、休すませ自分の職場に連れて行ったのですが翌日以降は励ましたり、しっかりしてと何とか学校に行かせました。休むのが習慣化しないように「最初が肝心」と心を鬼にしました。 
 (その結果)次女の状態は悪化しました。 かんしゃくを起して、物を投げ、女性をたたいた。「大嫌い」「みんな死じゃえ」など暴言を吐き、お風呂は数日に1回しか入らない。歯を磨かない。女性は不安でどうにかなりそうだった。仕事は週に2日に減らさざるを得なかった。 
 登校を強いるのをやめ、フリースクールなど学校以外の居場所を探しました。インターネットで検索して、フリースクールなど学校以外を探しました。インターネットで検索しては、「やってみる」と聞くのですが全て拒否されました。思えば、無理に登校させたことで、関係は悪化し、不信感を抱かせてしまいました。(そして)ある時不登校保護者と情報交換する中で「親の会」のあることを知り参加しました。子どもの心が回復し、活動し始じめるまでには、時間がかかることを学びました。まずは家で好きなことをさせることにした。ゲーム、編み物、お菓子作りなど少しずつ笑顔が増えていきました。小3になった昨年、定期的にフリースクールに通えるようになりましたと。・・・ 
 女性は「保護者向けの支援情報」が得られず、「親の会」にたどり着くのに時間がかかりました。もう少し早く相談ができれば・・・・子どもを無理に登校させ悪化させることもなくすんだのにと。「親の会」の存在は不登校の親にとって大切な相談機関になってきているという記事です。また記事の最後に奈良教育大学院教授の話が載っていました。不登校の子の保護者とつながる学校のいろいろな取り組みが必要ですが、一方、自分の知らない第三者の方が話しやすい場合もあり、「親の会」も含めて、状況に応じて選べる選択肢があること。とまとめています。「親の会」の相談も選択肢のひとつだとした新聞記事は初めてです。不登校は年々増え続け、小中で34万人となっていることと重ねてみれば「親の会」の必要性も納得できると思うのです 。
 期を同じくして、昨年から市教委と連携して「川崎・ひきこもり親の会ネットワーク」が連携して進めてきた『子どもの不登校に悩む保護者のための集会』が 2月11日高津市民館で開催されました。前半はスペースたまりばの西野博之さんの講演で後半は参加した親同志の交流会の2部構成の集会です。市教委と親の会が連携した集会は初めての画期的な取り組みです。 
 当日は保護者の方が240名ぐらいと大会議室が満員になるくらの参加でした。参加者が多いことに驚きました。不登校が増え続け34万人を越えていることを考えれば驚くこともないのですが、それだけ不登校で悩んでいる親の方が多いことを実感しました。後半の親同志の交流会にも半分ぐらいの120名ぐらいの方が残り、グループに分かれて、話し合いました。 
 今までは、学校へ行けなくなったときの相談は先ず学校に相談して、別室登校や保健室登校、また、スクールカウンセラーとの相談、また総合教育センター、そしてゆうゆう広場などの公的な窓口を紹介されることが多く、「親の会」については取り上げて紹介はなかったのですがこれからは市教委と連携して、不登校の相談窓口のひとつとして 「親の会」の情報も伝えてもらえるように市教委と相談していきたいと思っています。不登校という同じ悩みを抱えた親同志が話し合い交流できる「親の会」は安心と勇気をもらえる会だと思っています。市教委と連携しながら、不登校で悩んでいる親の方と一緒に「親の会」の充実を目指し活動を広げていきたいと思います。 

※集会の翌日、朝日の川崎版に西野博之さんの講演の内容を短くまとめた記事をせていたので紹介します。 
 「不登校やひきこもりの子ども、若者の居場所づくり」に長年取り組んでいる西野さん、不登校の子どもを「学校嫌い」と決めつけないでほしいとし、出会った子どものほとんどは「学校が安全で安心して楽しく学べるならば、学校へ行きたかった」と言っていたと説明している。学校を休んでいることが自分にとって意味ある時間だったと思えるように支えることが大切だとし、子どもは、安心できる場所で「大丈夫」に包まれると、自分の頭で考え、自分の足で歩きだすと述べた。親が心の底から『子どもは生きていてくれさえすればいい』と思ったときに、不思議と転機がやってくると語ってと・・・・・・ と紹しています。 
 私も西野さんの講演を聞きながら強く心に残ったのが『子どもは生きていてくれさえすれば』という言葉でした。 
 子どもは安心できたら、きっと自から動き出すと思っています。どの子もその力を持っていると思っています。 

2025年2月26日 竹内春雄    

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