【コラム】2024年6月 現在の不登校!!学校!!教育!!を考える
公開日:2024年06月07日 最終更新日:2024年06月10日
2024年6月の竹内先生のコラム(お手紙)です。自筆を大切にしたいので、ファイルを張り付けています。
----- 以下は参考。テキスト化したものです。-------
現在の不登校!!学校!!教育!!を考える
先月の終りに不登校でも、ちゃんと大人になると結びましたが、今月号の不登校新聞にも不登校だったけどちゃんと大人になって、実業家をしている澤円(さわかど)さんのことが紹介されていました。澤円さんは、マネジメントやコンサルタントとして働く人のメンターとして活躍されている方です。そして、次のように語っています。「不登校は大した問題ではないのに大問題にしているのは、大人の側です。たとえば『我が子が家にいるから仕事に行けない』『この子の将来のことが不安だ』『我が子と他の子と比べてしまってつらい』と悩みは多いようですが、それって、全部、親や大人の側の問題です。子どもから見れば自分の子どもと他の子を比較するなんて、もう親じゃなくて敵になってしまうのです。親が我が子のことを唯一の絶対値として見なきゃいけないのに。不登校のことを社会問題にしてしまっているのは大人なんです。・・・・親や周囲が今すぐできることがあります。それは子どもの思いや願いをちゃんと聞くということではないでしょうか。子どもは好きなことや自分のやりたいことは、きっと自分で見つけるのです。」と。(私も同感です。) そして「子どものころは朝、目覚めたら『どうして起きちゃったんだろう』と後悔するくらい生きることがつらかったです。そして『もう1日だけ生きてみようかな。だったら1日分の寝床や食糧を手に入れないと』という感じでイヤイヤ生きていました。今は目覚めるのが楽しみになりましたけどと・・・・もしも、今自分がいる場所が居心地がよくない。自分の居場所じゃないと思ったら、別な居場所を探しましょう。必ずあるのですから。・・・・明日1日生きるのが苦しいのならそのまま寝てていいのです。できるだけ食べ物をお腹の中に入れて、親は起しちゃダメ。目覚めたときその子がハッピーであるように、そっと寝かせておきましょう。・・・・と語っています。
不登校で悩んで親の会を訪ねて来る親の方も同じで初めのうちは、子どもをなんとかして学校へと、どうしたら学校へ行かせることができるのだろうと思ってお話をするのですが、子どもを何とかしなくてはと、親が思っていることは、ちゃんと分かっていて、そう思っている間は子どもはちゃんと分かっていて、前を向けないのですが、親が自分の味方になってくれているということは、子どもが感じとることで、そう感じたら、親が何も言わなくても前を向いて、自分のやりたいことをやるようになり、ちゃんと大人になっていくと思っています。子どもを信じてもいいのです。
次に今、不登校で気になっているのは、不登校が増え続けているということです。これからも続き、来年には30万人を越える数字になっていると思うのです。それは、今までの教育の状況が変わらず、受験競争の一本道になっていることです。そして、学校は先生にとっても働きずらい環境が変わらずさらに深刻になり、先生の定員割れの状況が、続いているということです。不登校のことでは、その原因の調査が毎年発表されてきました。その中に不登校の原因として毎年一位に挙げられてきたのが「無気力、不安」というくくりの項目です。原因の50%ぐらい占めているのです。それに対して先生学校に原因があるという項目は毎年数パーセントなのです。この調査、統計をずっとおかしいと思ってきました。不登校の子どもに無気力な子どもは、一人もいないのです。なまけている子などいないのですと思ってきたのですが、今年になって、この統計は少し違っているのでは、統計のやり方を見直そうという 声が挙ってきました。学校、先生にも責任があるのではという統計、報道がありました。子どもは学校へ行く気力がないから学校へ行かないのではないのです。逆に学校へ行かなくては、行きたいと思いながら、行けない自分をダメな人間だと自分を責め下を向いてしまうのです。顔を上げることができないくらい悩んでいるのです。「どうして」「どうするの」 と問われても、子どもは説明できないのです。そんな子どもに将来大変になるよと親の願いを届げても、子どもは前を向けるような気持ちにはなれないのです。そんなふうに悩んでいる子どもに"あなたの思いは、願いは"と、子どもの思いに寄添いちゃんと聴くよ、教えてと、あなたはあなたのままで大丈夫、きっと好きなことが見つかるよという親の気持ちは、きっと子どもに届くのです。その親の気持ちが子どもに伝わったら、子どもは安心して、そこから前を向いて考えてみようと思うのです。親はどうしたら学校へ行くようになるのだろうと心をくだくのではなく、大丈夫あなたのままでと信じ応援しているよという心は、きっと子どもに届くのです。その気持ちが子どもに伝われば、きっと「よし」と前を向いて進む日が来るのです。 そして、自分で歩いて、ちゃんと大人になっていくのです。親が子どもの未来を思ってもそれは親が絵描いた親の思う未来です。子どもは安心できれば自分で自分の未来を思い考えるのです。それを応援してもらえたら、どんなに心強いことでしょう。子どもの末来は子どものものなのですから。是非、子どもを信じて応援してあげてください。
今世の中はどんどん進んで、AIで不登校になるかどうかを予想して、タブレットで親に知らせるという取り組みがあるようです。そんなお知らせを受けとった親の気持ちをどう考えているのでしょうか。受験競争があたりまえのようになっている学校で心はいつもイライラ。そんなことではなく、子どもにとって学校はたのしいよと思えるような学校をどのようにつくりだしていこうとするのか、そのことに心をくだいとほしいと願っています。
子どもの未来は、学校や親が決めるのではなく、子ども自身が決めるものです。そのサポートをすること、子どもがやってみようという気持ちを応援し、育てるのが、学校であり、家庭なのです。
子どもを信じて、子どもがやろう、たのしいなという気持を大切にするという原点に今一度振り返ってみる必要があると思うのです。それは大人の仕事であり、大人の責任だと思っています。
2024年5月 竹内春雄