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【コラム】今の学校と不登校 2023年5月

公開日:2023年05月08日 最終更新日:2023年05月08日

今の学校と不登校

2023年5月の竹内先生のコラム(お手紙)です。自筆を大切にしたいので、ファイルを張り付けています。

竹内先生のコラム 2023年5月 (1.5MB)

 

-----  以下は参考。テキスト化したものです。-------

今の学校と不登校 

1月中旬に「不登校急増、国が予防策」という記事が載っていました。 
文科省は不登校の予防策を強化するとして挙げたのが、児童、生徒に配布 されている情報端末を活用して、その兆候を早期に見つけて、不登校を招くよう な学校特有の状況を調べて改善するという記事です。具体的には1人1台の タブレットのアプリで子どもの精神状態を答えてもらうシステムを全国的に 広げる。また学校の雰囲気や特徴が招く可能性に着目、子どものアンケートを元に授業や生活を改善してもらう仕組みを検討するという内容の記事です。 これが国の「予防策」ですが、これで増加し続ける不登校を止められるとは考え られないのです。不登校の子どもがタブレットで思いを伝えるのでしょうか。 また、イジメやクラスの様子、子どもの思い気持ちが先生はわかるのでしょうか。 タブレットで入力された情報ではなく、子どもたちと一日中対峙している先生が 子どもの様子や気持ちを肌で感じられないとしたら、その方が問題だと思うのです。 タブレットの情報がどのくらい信用できるのでしょうか。そのことを文科省はどう考えているのでしょう。また、各学校にスクールカウンセラーを配置したのですが不登校の増加は止まらず十分でなかったとして、タブレットの活用で予防しようというのですが、その情報で子どもの気持ちが本当に分かるのでしょうか。分かるとしたらなぜ イジメで不登校になる子どもがなくならないのでしょうか。不登校で訳がはっき りしているのはイジメだけ、後の不登校は自分でも説明できないのです。もちろん親にも分からないのです。 
その記事を見た後ニュースの特集でイジメで不登校になった事例2件が放映され ました。そのひとつは、小5でイジメに会い、学校へ行けなくなり、小6で自死した事例が 取りあげられていました。そして、自死した後、その親の家に校長と委員会の人が訪ね てくる場面で親が校長に「息子の当時の学校での様子を教えてほしい。」と質問を したのですが、その答えが「今調査中なので、コメントは控えます」という答えでした。 どこかで聞いたような答えです。校長、委員会の人は何をしに来たのでしょうか。?  どうして親や子どもに寄り添えないのでしょうか。 
今の学校の現場はどうなっているのか教員体制から学校を見ると、どの学校も 教員が足りずに四苦八苦している状況にあるということです。先生に余裕がなく長時間労働が当り前、また、土日出勤も常態化しています。それは少子化が影響しているようです。 教員の定数は児童数により、何人と決められていて、少子化の中、全国的に全体の児童数が減っているので教員の総定数も合せて減少しているのです。その中で35人学級の取り組みで、どの学校でも先生が不足している状況があるのです。つい最近沖縄で40人学級にするというニュースを目にしましたが、35人から40人にすれば教員の数合せをしているのかなと思いました。これは、川崎でも同じで、ある学校では 先生が足りず、担任のいない学級ができてしまい担任外の先生が何人かでやり繰りをして授業をしているという話を聞きました。先生方も余裕がないようです。そして、不登校は増え続け、今現在不登校は24万5千人と増え続けているという状況にあ るのです。これからも増え続けていくと思うのです。 
そして友だち100人できるかな、どんな楽しいことがあるのかなと期待に胸をふ くまらせなが入ってくる子どもたちを待っているのは、こと細かな約束ごとです。 筆箱には鉛筆3本と赤鉛筆と消ゴム、椅子の座り方は机との間はグウの握りこぶしで、呼ばれたらハイと返事をして腕は上に真直ぐに挙げるんだよ。などなど約束だらけの生活が待っています。そんな約束あったけと思うくらい。スムーズに生活できるためというのでしょうか。自分たちの生活をより楽しくするためにと考えなくても、すでに 約束ごとが決っているのですから。言われたこと守りましょうと。困ったことに出会って はじめてどうしようかと自分たちで考え、話し合わなくてもいいのです。子どもが 育つということは困ったことに出会い自分で(自分たちで)どうしたらと考えていく ことで、ひとつひとつ自分の生きていく力になるのに。これは勉強も同じように思うのです。先生から教えてもらったことをどれだけ覚え、記憶するかが問われています。そしてテストで良い成績をとれる子がクラスの中で上で取れない子は下という上下関係ができるのです。今は学校だけでは間に合わないとばかり学年全体で同じよう なドリルが宿題になります。しかもタブレットに。誰がやっていないかすぐに分かるのです。今、小6 中3の全国一斉の学力テストが行なわれ、その成績は各家庭にお知らせ が届くようになりました。(当初は成績は公開しないという前提だったのですが) そして、川崎は今年度川崎独自の学力テストを実施したいと市長さんが提案しています 
今の学校が置かれている状況についていろいろな角度から見てきましたが、ひと言でいうと今の学校は、いかによい点数をとり成績を上げよい大学へ行くかが問われる一本道です。そのためには学校だけでは足りないとばかりに塾が大はやりです。子どもの放課後もありません。遊ぶことなんかどこかに消えたように、高校からでは遅いとばかり 中高一貫校も増え小学校から受験勉強です。このような単一の偏差値教育になっているのは世界で日本だけです。単一の価値で子どもを教育してよいのでしょうか。私にはそう思えません。元々人は多様なのです。その多様性を尊重すべきです。自分のことは 自分で決めていいのです。そのためにおしみなく応援すべきだと思っています。 


2023年2月中旬、竹内春雄 

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