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【コラム】お正月の特集の記事から(1月1日~3日の記事) 2023年4月

公開日:2023年04月01日 最終更新日:2023年04月02日

お正月の特集の記事から(1月1日~3日の記事)    

2023年4月の竹内先生のコラム(お手紙)です。自筆を大切にしたいので、ファイルを張り付けています。

竹内先生のコラム 2023年4月 (1.4MB)

 

-----  以下は参考。テキスト化したものです。-------

先ず目についたのが"新春特別教育鼎談(ていだん、2人は対談、3人でする話し合いが鼎談です。)

麻生開成の校長と教育博士の3人が「どんなに時代が変っても教育の本質は変わらない」のテーマでの話し合。時代が変っても変わらないその本質とは?何と言っているのか興味があったからです。そして、その本質とは、教員、学友からの触発によって、子どもたち一人ひとりの可能性を伸すこと、その本質を忘れた経済至上主義、大人の都合による教育改革には危機感を抱きます。そして今の社会に子どもを合せるのではなく、一人ひとりの子どもがもっと才能を伸ばし、その理想を築くための営みですとしています。そのために具体的なこととして、日本の英語教育を挙ています。開成では英語教育の充実を目指し、ネイティブの英語の専任を2人、非常勤を5人という体制で授業は米国の教室にいるかのようにと提案しています。また、開成でいえば東大を目指す受験校のトップの学校です。そこに入学するためには激しい受験戦争に勝ち抜 いて、はじめて入学できる学校です。超エリートなのです。そして、国もずっと、トップクラスの子どもは10%いればいいという方針にも合致しています。日本を支えるトップのエリートを育てるための教育は変わらず、その本質をより強化していくというその先に理想の未来があるとしているのですが、大多数の子どもたちの未来はどう考えているのでしょうか。それが日本の教育を考えることになるのでしょうか。私には受験競争の教育のさらなるグレードアップをしていくという宣言に思えるのですが、その記事の下にはサッピックスの宣伝が大きく載っていました。 この記事は”広告特集”だから仕方ないのでしょうか。競争の一本道は続く最っと強化されて続いていくのかなと思いました。(2023年1月1日の広告特集の記事から)
でもその日の一面は、"灯、わたしのよりどころ”という特集記事が飾っています。漫画家の細川てんてん(54才)さんのことが載っていました。 
何をやってもできない子、自分を下げて、目立たないように生きてんだよと、母親に言われて育った。 絵のコンクールで入賞してもほめられたことはない。集団行動が苦手で、幼稚園の昼寝の時間が嫌い。「なぜ、みんなでお昼寝しなきゃならないの?」と思っていたと。漫画家になり「ツレがうつになって」が大ヒットしたときも、母親には「目立つことをして」と言われた。どうせ私は何をするにも、一歩踏み出すのが怖い。電車でひとり遠出するのも緊張すると語る細川さん。編集者に宝塚に誘われたときも、「場違いなやつだと思われるのでは」と不安を感じたけど意を決して宝塚へ。幕が開た。トップスター春野さんの登場。あっそこだけ電気がついたように輝いて神々しい。その姿に励まされたと。それから宝塚通い「私なんてダメ」と縮こまっていた自分がだんだんいなくなったと。そして「子どものころ、家も学校も居づらかった細川さんにとって、逃げ場所は空想の世界だった。『この世は生きているだけで生きにくい場所なんです。そんな現実社会から逃げられる場所』それが宝塚だと。 
”応援する私励まされる私”の見出しと重さなる。母ではなく、宝塚を見つけた私と。
一人ひとり、誰でも”よりどころ”は必要だし、見つけることができると励まされる気がした。それと同じように左下の折々のことばが教えてくれているように思った。そこには 「計画したことの八割はできません」と。目標とはそもそも達成できないもの、とくに完璧をめざしたりすれば”こなす”ことが目的にすり替わると。独学で大学受験もその後の学びもやり通した経済学者(柳川範元)は言うと、ありました。初めに挙げた鼎談からは 想像できない人たちもいることを読み、安心した私がいました。 
そしてその裏の2面にも”喜びも失望も、生きている実感”という見出しで芥川賞作家津村記久子さんの記事が載っていました。 
津村さんは新卒で印刷関係の会社に入り9ヶ月ぐらいたった頃の話です「電話で仕事の話をしているだけで怒られるなど理不尽なことが多くなったり、存在し ないフィルムの紛失を私のせいにされたり」と。パワハラが多くなり「もう会社勤 めはできないと思ったという時期があった。そんな時、職場のカウンセラーに「自分は火曜日と木曜日の夕方にいるので何かあったら言って」と。「人に気にかけてもらえたのが支えになった」とあります。そんな小さなことでも支える力になるんだなあと思いました。小さなことでも本人が応援してくれると感じることが大切なのです。 そして「感情のケチ」は「お金のケチ以上につまらない人生だと思います。」「落ち込むことで立ち直ることを学ぶ。」「落胆させられることに、コスパが悪いと、その人に近寄ろうとしない人は立ち直ることを学べない」「人の心を動かすのは『点』の良い体験ではなく起伏で『いろいろあったけどよかった』と思うことじゃないでしょうかと自分の人生を見ているだけでは不当だと思うことや自責もある。その人なりに生きている人生を見ることを通して「これは自分がひがんでいる」とか「これはおかしいから怒られる」とかそういうことがわかってくると思うのですと。その見出しは”喜び失望も生きている 実感”とあります。"絶望の裏には希望がある”と風見穏香さんは歌っています。 が、私もそうだなと思います。「何んでみんなと一緒にお昼寝しなくちゃ?」「残さないで食べようね」。お出かけで、アッこれ何にと見つけて列を離れたらちゃんと並びなさいと言われアレッと感じる4~5才の子どもたち。これは自然なことなのに今、保育園、幼稚園ではしつけとしてダメよと指導が入るのです。頭ではなく心で感じている子どもとちゃんとさせなくてはという保母さんの矛盾はそのまま学校へとつながっています。"みんな一緒”ではなくて 一人ひとり違っていていいはずなのに。それができない自分がおかしい。ダメなのか下を向いてしまう子どもたちに大丈夫だよ、あなたはあなたのままでいいんだよと信じて応援してあげていいと思います。新幹線に乗っても、各駅停車の鈍行に乗ってもちゃんと目的の駅に着くのですから、ゆっくりは景色もよく見えるのです。 


2023年1月1日~3日 竹内春雄 

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