【報告】第14回全国手をつなぐ育成会連合会権利擁護セミナーin島根
11月7日(火)くにびきメッセ 小ホールの会場とオンラインで開催され、当会はオンラインで参加しました。今回のテーマは「性を考える」です。
1.基調講演:「知的障害のある人が恋愛できる社会にするために」
-『普通』の恋愛・『普通』の出産…『普通』ってなに?-
島根大学人間科学部福祉社会コース講師 武子 愛 氏
性は「人権」。障害のある方の結婚率と今と昔の結婚、保護者と現場それぞれが感じる知的障害のある人の性的ニーズの課題。そして性的権利保障と性被害防止のバランスの難しさ等・・・を話されました。。
また、「経験することを支援する」として、武子氏が実際に関わったお見合いパーティーのお話もしていただきました。
2.シンポジウム:「性を考える」
シンポジスト
松村 真美 氏(社会福祉法人南高愛隣会常務理事)
岩本 友広 氏(社会福祉法人南高愛隣会瑞宝和太鼓団長)
辻 浩一郎 氏(特定特定非営利活動法人ふれあいネットワーク・ピア理事長)
久保 厚子 氏(一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会顧問)
武子 愛 氏 (前掲)
コーディネーター
曽根 直樹 氏(全育連権利擁護センター専門委員)
まず、松村氏から「ぶーけ」の取り組みについてお話がありました。そして、その支援を受けながら結婚生活を続けている岩本氏、辻氏には出会いから結婚・子育てと、これまでをどのような支援を受けながら過ごしてきたかをお話しいただきました。
お二人ともグループホームで結婚生活をされています。大変な決断やご苦労もあったようですが、微笑ましく幸せいっぱいな様子でお話をされていたのが大変印象的でした。また、久保氏からは親の立場からとしてお話いただきました。
基調講演、シンポジウムともに、性教育の必要性と支援の制度が無い事が問題であるとの話が何度も挙がっています。性教育では、本人だけでなく、まず保護者や支援者も積極的に学び支援方法を家庭でも実践しながらその体験を周囲へ伝え理解を広める事が大切ではないか。また保護者も悩んでおり、相談窓口が必要ではないかと話されました。
最後に曽根氏からの、どんな制度が必要と考えるか?という質問に、「何かの時にすぐに駆け付けてくれる制度」「制度を組み合わせても人生を丸ごと支える制度になっていない。隙間を埋めるにはどうしたら良いかを国に考えてほしい」「乳幼児期の夜中何時でもという所はどの制度を使っても足りない。ここの保証をどう考えるか」等々、様々なご意見が挙がりました。
今回のテーマは、大変幅広く、内容も盛りだくさんで、難しいテーマと感じました。まずは、私たち親や支援者が積極的に関心を持ち、学ぶことが大事なのではないかと考えさせられました。
この情報は、「川崎市育成会手をむすぶ親の会」により登録されました。