川崎から公害をなくす会
                               

5.最近の、機関紙のニュ−スから

 〃秡する、市民の呼吸器疾患による死亡!  
                     2010年7月号

川崎市統計書に掲載されている、死亡統計のうち市民の呼吸器疾患による死亡について調べてみました。すると、慢性気管支炎や肺気腫といった慢性閉塞性肺疾患が2005年以降急増していること、また気管・気管支・肺による悪性新生物の死亡者も増加していることがわかりました。原因は、すべて大気汚染ではないにしても、主要な原因の一つであることは過去および現在の汚染の状況から判断できます。

表−1 市内の、ぜんそくと慢性閉塞性肺疾患による死亡者数の    推移 (人)
(年)00 01 02 03 04 05 06 07 08
喘息 27 37 26 21 20 28 23 21 17
閉塞肺 127 134 107 131 93 117 131 145 158

表−2 悪性新生物(気管・気管支・肺)の死亡者数 (人)(年) 1968 1978 1988 1998 2008
 男    39   93  189  274  371
 女    17   34   61  100  152
合計    56  127  250  374  523


◆。嫁連続して、二酸化硫黄の1時間値オ−バ−
                    2010年1月号

燃料の転換や脱硫装置の設置により、二酸化硫黄による公害は全体として改善されています。しかし、環境基準のうち1時間値の0.1ppmを超えることがわずかですが、いまだに発生していることはあまり知られていません。川崎市公害監視センタ−の資料によると、田島測定局で2008年9月13日に1回、また昨年2009年は大師測定局で、5月12日と8月12日に各1回ずつ発生。その時の風向は、田島局は東風で大師局は南・南南東でした。以前、三宅島噴火による影響がありましたが、今度の場合は川崎市も人為的な原因であることを認めています。
  

 

 窒素酸化物および二酸化炭  素の排出量、市内事業所上  位10者
      2011年1月号

川崎市内の事業所のうち、どこが大量に出しているのか、市から資料を取り寄せ、上位の10者について抜き出してみました。下のように、一番多かったのはいずれもJFEスチ−ル(旧日本鋼管)で、次が窒素酸化物は東燃化学、二酸化炭素は東電東扇島でした。以下、石油化学やセメントなどの産業が続いています。
 私たちは、地球温暖化の主たる原因物質の、二酸化炭素も広く公害と捉えています。
 大気汚染公害も温暖化も、これら大手工場・事業所の削減がなされなければ解決しません。

A.窒素酸化物
    (09年度、トン)
第1位 JFEスチ−ル 
    2,534
第2位 東燃化学 1,023
第3位 東燃ゼネラル 823
第4位 JX日鉱日石浮島
    618
第5位 東電川崎 581
第6位 JR川崎火力 569
第7位 ディシィ 545
第8位 東電東扇島 430
第9位 東亜石油扇島 405
第10位 東亜石油水島360

B.二酸化炭素
    (08年度、千トン)

第1位 JFEスチ−ル 
    8,710
第2位 東電東扇島4,020
第3位 東電川崎 2,910第4位 東燃ゼネ石川崎
         1,713
第5位 川崎天然ガス
         1,210
第6位 新日本石油川崎
         1,150
第7位 昭和電工川崎
         1,092
第8位 東燃化学 1,014
第9位 東亜石油京浜 983
第10 ディシィ 714
 *JR川崎火力は含まず


 



市内放射能濃度の、電光表示を!
      2011年4月号


3月11日の東日本大地震と大津波によって、東電福島第一原発が爆発事故を起こし、いまも放射能が排出されています。川崎市は、ただちに川崎区田島で放射能の測定を開始し、市のホ−ムペイジで公開しました。
しかし、東京都などは都庁ロビ−はもちろん、渋谷や新宿などの街頭でも公衆に広く電光表示していることから、なくす会は4月8日、市に市役所前の大気汚染電光表示板でも公表するよう、緊急の申し入れを行いました。なお、同電光表示板が、震災後「節電」を理由に休止していることについて、市民の健康にかかわる重大問題であるとして、ただちに元に戻すよう要請しました。
   
(写真は、「節電中」と表示され休止している川崎市役所前の電光表示板)

県内の窒素酸化物測定器を点検
      2011年4月号

 行政による二酸化窒素等の測定法は、従来の湿式(吸光光度法)から乾式(化学発光法)に替ってきています。乾式は、吸収液の処理が省けるなどの利点があると言われています。しかし問題は、測定法が替っても測定値の「一致性」が確保されるかどうかです。
 近年、公害対策や景気の後退等により二酸化窒素等の濃度が低下してきています。このこととは別に、乾式による測定値は低く出る傾向があると言われるようになりました。
 そこで、なくす会は先ごろ県内の自治体の各測定局における測定法変更に伴う測定値の「一致性」について、具体的には並行試験実施の有無とその結果について調査しました。一致性の評価については、国の方から一応の目安が示されているのですが、それによるとあくまで限られた資料の判断ですが、川崎市の測定機は合格、神奈川県の一部のついては不合格なものが見つかりました。
 写真は、県の2006年度分の一例です。上の伊勢原市役所局は合格、下の座間市役所局は不合格となっています。
 どこの測定局も、またいつでも、精確な測定と「一致性」が求められることは言うまでもありません。
普陀山(観音浄土)の大気の汚れについて   2011年7月号

 今年6月、中国浙江省へ旅行してきました。各地で、二酸化窒素の測定を行ない、結果は次の通りでした。もちろん、たった一日の測定で、それがその都市を代表するものでありません。
 それらのうち、日本でかつて盛んだった「ふだらく渡海信仰」の本場-普陀山における測定結果が注目されました。2日間とも、日平均値0.004ppmと、国の環境基準並びに市の環境目標値(同0.02ppm)を下回る、大変清浄な大気でした。まさしく、観音浄土の地にふさわしいものと思いました。(神戸)

測定結果:
紹興  5/28 0.032
寧波  5/29 0.050
普陀山 5/30 0.004
5/31 0.004
杭州  6/1 0.030



川崎公害展を開催
     2011年10月号

 なくす会は、本年8月3日から9月16日まで、麻生区にある川崎市ア−トセンタ−で「今なお続く大気汚染−川崎公害展
」を開催しました。この企画は、四日市公害を取り上げた映画「青空どろぼう」の川崎上映に協力する形で実現したものです。
 内容は、大気汚染等公害の実態や主な運動、温暖化・放射能汚染など3分野について、写真やグラフ・絵画・作文など81点を数え、期間中映画や演劇を見に来た人、お茶でくつろぐ人たちなど多くの人の目に触れてもらうことができました。(略)また、期間中の9月4日には、映画上映の後、公害患者も加わってもらい、ト−クショ
−を行いました。これらの感想として、「経済発展の陰に、犠牲になった人がいるとは知らなかった」「四日市と川崎の関係が良くわかった」「今度の福島も、みんな同じ構造が作り出しているように思える」などが出されていました。
 
 
◎市内トップはJFEスチ−ル
−2010年度の窒素酸化物排出量
      2012年1月号
  

 市内大企業から排出される、窒素酸化物は年々減少していますが、まだ大量にでています。
市環境局の、最近のデ−タから見てみると、全体で8,583トン(年間)。このうち、圧倒的に多いのは鉄鋼大手のJFEスチ−ルの2,752トンで、全体の約3割りを占めていました。次に多かったのが東燃化学、そして東京電力の順でした。以下に、ベストテンわ示します。(トン、四捨五入、なお東電・日石・昭電・東石は各工場の合計)

第1位 JFEスチ−ル 2,752
第2位 東燃化学    1,026
第3位 東京電力     970
第4位 東燃ゼネラル石油 872
第5位 JX日鉱日石   739
第6位 東亜石油     725
第7位 JR川崎火力   489
第8位 ディ・シィ    391
第9位 旭化成ケミカルズ 150
第10位 昭和電工     139

◎PM2.5速報値の公表を
 −なくす会が申し入れ
 09年9月に、微小粒子状物質(PM2.5)についても環境基準が定められました。いま、各地で測定体制の整備が進められていますが、それと同時に測定結果の市民への早急な工法が求められています。こうした中、なくす会は昨年11月28日、川崎市環境局へ次の3点を申し入れました。〇毀鮟蠢暗展表示盤に測定結果を表示する公害監視センタ−のホ−ムペ−ジに、早急に載せる B腟け染濃度電光表示盤の増設する
 その後、市からなくす会に「速報値の掲載は、少し時間を頂きたい。その間、月例のホ−ムペ−ジ更新の際掲載できるよう工夫する」と回答してきました。  
大気汚染対策と温暖化防止に逆行−東電川崎火力
   2012年4月号

 「安全神話から」原発事故を起こした東電。その東電が今度は川崎の地で、大気汚染と温暖化を拡大しようとしています。
先日市民に縦覧した、環境影響評価準備書によると、川崎火力(川崎区千鳥町)は目下300万KWの火力発電所を建設地雄ですが、まだ完成もしていないのにさらに342万KWへと規模を拡大、その結果二酸化窒素の排出量は、計画値で年間1,190トンから1,440トンに増加、また二酸化炭素についても将来約730万トン/年に増やすことになるとしています。
 現状でも、被害者が増えているのに、今以上に公害をだすことは決して見逃すことのできない問題です。皆さんも、ぜひこのことを考え行動に参加してみてください。5月19日は神奈川県、翌20日には市の主催する公聴会が開催される予定です


 
  
気管支喘息患者数、ついに2万人を超える!
       2012年10月号

川崎市内で、気管支喘息と診断された患者数がついに2万人を突破したことが分かりました。市が委託した、2011年度医師会調査によると、全市の患者数は20,499人と過去最高だった前年度の18,706人よりも、1,799人超過し記録を更新しました。
 区別に見ると、最も多いのが川崎区で4,556人、続いて宮前区の3,781人、多摩区の3,316人などとなっています。区ごとの人口に占める割合-人口千人対でも、川崎区がトップでした。(なお、調査用紙の回収率が増えています)。
市役所前の電光表示盤を撤去!
  2013年4月号

 革新市政誕生後の1971年4月、市役所本庁舎前に設置され、通行人や市民に大気汚染濃度を知らせてきた電光表示盤が、本年イチ1月中旬、公害監視センターの殿町への移転を理由に撤去されました。
これまで、PM2.5の表示などを求めるなくす会との話し合いの中で、市は表示盤の継続には多額の費用が必要で改修は困難としていました。その代わり、新規に第三庁舎内におけるテレビモニターの設置やテレビ神奈川によるデータ放送(3月)を行うことを明らかにしていました。
 なくす会が、緊急の申し入れ
こうした中、なくす会は2月5日、常時吸っている大気汚染表示は、屋内だけでなく屋外で市民や住民
に知らせることが必要として、
〜瓩市内各区庁舎や主要駅等・繁華街などに大型ビジョン等を設置する 
⊃靴燭烹陦蹌押ィ気篳射線量の表示を加える
8化学スモッグ発生・気温・風速も表示する などについて申し入れしました。
屋外で表示することについては、同月26日、環境総合研究所視察の際にも要望しました。
これは“生命の問題だ”
市はサン3月下旬、説明のとうり第3庁舎1階にテレビモニターを設置しました。ところが、設置された場所はすぐには見つけられない守衛室横の通路で、表示内容も市ホームペ−ジと同じ数字の羅列。どうも当局には、屋外表示盤が、公害被害者や住民の生命・健康に関わる問題であることが分かっていないようです。

成人ぜん息医療費助成制度の見直し---市長が市議会本会議で答弁
  2014年10月号

本年6月24日の本会議で、福田市長が「今後の制度の在り方について検討してまいりたい」と発言しました。これは、多摩区選出・無所属の三宅議員の質問に対する答弁。市長は、都の制度と性格が異なり、ただちに連動するものではないと指摘するものの、同議員が国の疫学調査や喘息と大気汚染濃度に関連性が見られなかったとする、健康福祉局坂元技監の論文と書か連づけていることから、さらなる改悪を求めたものであることは確実です。
 これに対し、公害患者会がつよく抗議、公開質問状を出すとともに、市役所前や中野島駅前などでビラまき宣伝を行いました。なくす会も、坂元技監の論文に対し会長名で7月29日「感想と意見」を取りまとめ提出しています。その内容の主な点は、次の通り。
ヾ超基準・環境目標値が、充分達成されていない 健康被害は、個々の汚染だけでなく複合汚染として働いている S誕の発生は、汚染が継続して一定期間後に起こる だ邵蠍害裁判の判決も、大気汚染と健康被害の関係を認めている NOxやSPM以外の大気汚染物質等との関係についても検討を進める 

 その後、度重なる公開質問に窮した三宅議員は、10月26日付けで「制度の廃止や縮小を求めたことはなく・・今後この制度の存続を願っている」等と伝えてきています。
公害防止対策への要望、44%に上昇! 市民アンケ-ト
2016年7月号

川崎市総務局が、毎年実施している平成27年度の「かわさき市民アンケ-ト」によると、市政への要望のうち、大気汚染や騒音・振動などの公害防止対策への要望が、最近上昇傾向にあり昨年は43.5%になりました。
過去10年間の回答率を調べたところ、40%台への上昇は実に8年ぶりでになっています。公害は決してなくなっていないこと、企業や行政の一層の努力が求められていることを示しています。

*画像が、不鮮明と思われますので、次に再表記しておきます。
2006年度 41.7%
2007年度 43.6%
2008年度 36.9&
2009年度 36.2%
2010年度 32.6%
2011年度 33.3%
2012年度 31.9%
2013年度 37.1%
2014年度 38.4%
2015年度 43.5%
市内では、いまも強い酸性雨が降り注いでいます!
2016年7月号

最近では、人々の関心が薄らいでいますが、大気汚染が改善されていない中、市内では今もpH5.6以下の酸性雨が降っています。市が観測しているデ-タをみると、年度平均でpH4.5から5.0の範囲内で、横ばいに推移し改善されていません。
 特に問題なのは、降り始めの雨(初期降雨)の場合、ときどき今もpH3レベルの雨が降っていることで、昔なら大騒ぎしていたところです。

’度のpHの推移
     川崎区  麻生区 
2004年度  4.7 4.6 
2005年度  4.7 4.5
2006年度  4.9 4.7
2007年度  5.0 4.6
2008年度  4.7 4.5
2009年度  4.8 4.7
2010年度  4.9 4.7
2011年度  4.6 4.6
2012年度  4.5 4.6
2013年度  4.5 4.6
2014年度  4.8 4.7

降り始めの、pHレペル別雨の回 数 (2015年の1年間調べ)
      川崎区 麻生区
pH3.0〜3.9 1   11
pH4.0〜4.9 44   49
pH5.0〜5.9 21   21
pH6.0〜6.9 9   4
pH7.0以上  2   0

なお観測場所は、川崎区は田島町の公害研究所(但し2013年1月から環境総合研究所)、麻生区は百合丘の一般大気測定局です。

(画像は中原区にある平和会館前)







JR川崎駅東口の大型ビジョン
『公害克服』の工場夜景宣伝、取り止め
     2016年10月号 

“企業や行政などが協力して公害を克服”“煙突から排出されているのは、ばい煙でなく水蒸気”等と、これまで工場夜景観光に便乗して進められてきた『公害克服』の大宣伝が7月15日をもって取り止めになりました。これは、7月4日に開催された「公害団体と川崎市との連絡会」の場で、住民側から問題提起され市側もこれをみとめ実施された措置です。
実態に反するこの宣伝に対しては、なくす会も事あるごとに指摘してきました。

【臨海部の汚染が、多摩区まで】

 近年、市の北部でぜん息患者が増加していることに対し、この間なくす会は宮前区や麻生区で大気汚染とぜん息との関連性について調査研究してきました。今年度は、多摩区でこれを進めていますが丘陵による影響として、高台よりも低地の方が汚染が高く被害者も多いことなどが分かってきました--後日、全体の調査結果発表。
 また今回の調査では、多摩区内の汚染は自動車だけでなく、市南部の工場地帯からの汚染が到達している可能性も明らかになりまし
た。以下は、調査した8月3日の市の速報値等の資料でこれを証明しています。風向により、汚染気団が市南部から北部へと移動していることが分ります。
 *数字はPM2.5(μg/m3)で、11時から14時の間の1時間値の最も高い数値。

11時/ 大師 21 ENE
   田島 21 -
12時/ 川崎 17 SW
13時/ 幸  19 S
   中原 17 S
14時/ 高津 15 SSE
   宮前 16 SW
(なお、多摩区は市は測定していないが、なくす会の中野島1・2丁目における11:50〜13:23の平均値では8.43μg/m3となっています)。
なくす会が、公害保健センタ-を視察
      2017年7月号

 さる5月24日、川崎区日進町にある「川崎横浜公害保健センタ-」を神戸会長ら数名で視察しました。同センタ-は、昭和49年11月の川崎市公害健康被害補償事業の一環として、その後横浜市と一緒に設立されたもので公害病認定患者の検診や保健福祉、大気汚染に係る健康被害予防事業などを行っています。
 初めに杉本所長らの案内で、検査室やレントゲン室・肺機能室病歴室・図書室などを回り、夫々の部屋で説明を受けました。その後会議室で懇談、この中でなくす会から以下のような要望をしました。
’定患者の健診業務だけでな  く、もっと全市民を対象にした 健康予防事業についても実施し てもらいたい。
∋圓琉緡典澪兢鯲磴里爾鸞患者 への対策も進めてほしい。
C濱僂気譴討い詆体鯏の活用を 図ったらどうか。
せ圓篏嗣院Υ覿函Φ腸颪保有す る公害資料の保管する「資料  館」を造ることはできないか。ヂ膤悗簑膤愽賊,覆匹妨討咾け て、最近の大気汚染と被害の調 査研究をやるべき。

【首都圏への黄砂の影響は?】
 
 本年5月の7・8日、中国大陸からの黄砂が日本列島をすっぽり覆いました。そこで環境省のPM2.5についてのデ-タを使い調べてみました。
その結果、大陸に近い福岡市や福山市・高知市は8日に汚染がピ-クとなっており影響が明らかと思われました。次に、大阪市や名古屋市は12日にも同程度のピ-ク汚染があり、判然としませんでした。
また、川崎市の8日の汚染は12日頃よりわずかに高かったものの、断定しかねる状態でした。実際、気象庁のこの日の黄砂観測実況図では、首都圏は「観測なし」でした。
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