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基礎講座◆峪羚き−多摩川の紙漉き−」、体験教室「紙漉き」

令和元年7月20日(土)、川崎市橘リサイクルコミュニティーセンターで、本年度第2回目の基礎講座と第1回目の体験教室が行われました。
基礎講座「多摩川の紙漉き」の講師は、昨年度に引き続き稲田郷土史会の会長である鶴見邦男さんにお願いし、実施しました。

最初に当団体の紹介と講師の紹介を代表江原より行い、橘リサイクルコミュニティーセンター長より施設の紹介があり、講座が始まりました。

一番最初に多摩川と紙漉きの概要説明で、江戸時代後期から平成の時代まで、現在の川崎市多摩区を主に行われていたこと、そして紙漉きが盛んになった理由を4項目示して説明がありました。
1.水質の良い多摩川の水(伏流水)・・・多摩川における沖積層の形成や関東ローム層等の影響によること大である。良質な水が得られた。
2.江戸の大消費地に近い・・・江戸に幕府が開かれ徐々に人口が増加し100万都市になったため。
3.楮(こうぞ)が多摩区周辺に自生していた・・・多摩丘陵から多摩川周辺においての地域。
4.農間余業(農家の副業)に適し・・・米作りの後、現金収入を得るため、秋から春にかけての農家の仕事として最適であった。のちに専業化していく。

また、和紙の原料となる楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)、トトロアオイの特性等の説明がありました。
続いて、時代ごとの説明に入りました。

1.玉川和唐紙(江戸時代中期〜明治時代初期)
2.浅草紙・桜花紙(明治時代末期〜大正時代)
3.登戸を中心としての機械漉き(昭和時代〜平成時代)

1.玉川和唐紙は中野島が発祥の地で、田村文平国定が江戸の中川儀右衛門から伝授され和唐紙紙漉仲間を作り現在の多摩区周辺まで拡大しました。明治になると輸入された洋紙が多く出回り、明治20年代に消えていきました。

2.明治時代末期からの浅草紙・桜花紙は、主として古紙を再利用する方法で、多摩区内で家内工業的に盛んになりました。

3.昭和初期になると、古紙を再利用するのですが、大量生産できる機械漉きになり、登戸地区に多くの工場が出来ました。しかしながら後継者不足や当時の時代背景とした環境問題があり、地域から製紙工場はなくなりました。
昭和初期の機械紙漉き製紙工場についても説明がありました。

・玉川製紙・・・戦前、戦後を通じて登戸の製紙業の中心的な役割を果たしていました。(現ダイエー向ヶ丘遊園付近)

・南武製紙・・・現在登戸駅近くにあった工場でした。

戦時中の出来事として、現在明治大学生田校舎にあった陸軍登戸研究所との関わりについて説明があり、特に和紙との関係で研究所の風船爆弾やニセ札について(秘密事項であった)、地元採用の工員として業務に関わっていたとの話がありました。

戦後の登戸地区には、8か所の製紙工場があり、一時は盛んな状況でした。しかしながら前述のとおり、環境問題等の影響で操業出来なくなり、すべて消えてしまいました。
最後に、多摩区地図を活用して江戸時代以降の製紙工場の変遷をたどり、講義が終わりました。

折角の機会なので質問を受け付けました。紙漉きの株仲間・良質の水・東京(江戸)方面の紙漉き状況・古くからの和紙の歴史等の質問があり、講師より詳細な内容の回答がありました。
これで午前の基礎講座は無事終了しました。

参加者へのインタビューでは、専門的であり、わかり易い説明で大変良かったとの感想をいただきました。
続いて、13:30より、同建物内の2F実習室で体験教室「紙漉き」を行いました。
まずは、デザインを考えます。
今回は、白いハガキやしおりを作ります。そこに、用意されたたくさんの絵や柄の中から、好きなものを選んでトッピングすることができます。
いよいよ、紙を漉きます。水中に分散した繊維を専用の木枠(簀桁)を使ってすくいます。
ぎゅーっと押して、水分を抜きます。
乾燥する前は、このような状態です。アイロンを使って、乾燥させたら出来上がりです。
紙がどのように作られるのかを理解するために参加してくださったというご家族からは、「うまく作品を作ることができて、とても楽しかった」「子どもにリサイクル、再生という意識が育まれる良い機会となりました」との感想をいただきました。

インタビューにご協力いただき、ありがとうございました。
今回の基礎講座の参加者は8名、紙漉きは8名(内小学生が1名)と定員を下回りましたが、参加者は活発に楽しく研鑽され、会場には笑顔があふれていました。

参加者からのアンケート結果など、詳細をホームページ(https://mu-lab-kawasaki.jimdo.com)に掲載しています。ぜひ、ご覧ください。
情報掲載日:2019/08/13

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